駐輪場以外の場所に違法駐輪している自転車をロックできる?
事故防止・業務改善
街を歩いていると、駐輪場以外の場所に違法駐輪している自転車を見かけることがあります。
土地の管理者や施設管理者の場合には、対応に頭を悩ませていることでしょう。
そんなときに気になるのが、「違法駐輪している自転車を勝手にロックすることはできるのか?」ということです。
今回のコラムでは、この点について解説します。
新しい違法駐輪対策には注意が必要
全国的に、違法駐輪による対策に頭を悩ませているという話を聞きますが、最近違法駐輪対策として注目されているものがあるようです。
とくに、私有地では違法駐輪対策に頭を悩ませている人も多いでしょう。
具体的にどのような対策であるのか、解説します。
違法駐輪している自転車を勝手にロック
私有地では警察や行政が手を出すのが難しいため、違法駐輪をされてしまうと、対応ができずに泣き寝入りすることになる場合が多かったようです。
しかし、最近では新しい対策が生まれています。
その対策とは、駐輪場以外の場所などに違法駐輪している自転車を勝手にロックしてしまうというものです。
簡単に解説すると、民間企業と市民が協力して、監視・取り締まりを行うというものになります。
登録している市民が、契約している私有地などを監視して、違法駐輪している自転車を見つけた場合には、ロックを行うのです。
そして、ロックされた自転車の持ち主は、QRコードを読み込み、損害賠償金を支払うことでロックを解除することになります。
自転車の場合には、1日約5,000円を損害賠償金として支払うことになるそうです。
(参考:“放置自転車”に一般市民が鍵を… ロック解除には自転車約5000円 バイクは3万円 取り締まりの新ビジネス)
土地の所有者や施設管理者からすると、何とも喜ばしい画期的な対策と考えられるでしょう。
しかし、合法であるかどうかは疑問との声も出ているようです。
日本では、「自力救済禁止の原則」がありますし、違法駐輪している自転車であるとはいえ、自転車を勝手に移動させることやロックしてしまうことは、窃盗罪や器物損壊罪などに該当する可能性があるとも指摘されています。
そのため、とても画期的な対策とは言えますが、合法であるかどうかは非常に微妙であると言えるでしょう。
さまざまな見解があると言えそうです。
違法駐輪を行うのは駐輪スペースの不足などの理由があるため
ここで考えておきたいのが、「どうして違法駐輪を行う人がいるのか?」ということ。
違法駐輪が行われてしまう理由には、いくつかの理由がありますが、主な理由としては、次のようなものが挙げられます。
駐輪スペースの不足
違法駐輪が増加してしまう理由の1つとして挙げられるのが、駐輪スペースの不足です。
これは、文字通りの意味で駐輪場など正式に駐輪ができる場所はあるものの、駐輪スペースが不足していることによって、使用できずその結果として違法駐輪をしてしまうというもの。
駐輪スペースが不足していることが原因という場合には、駐輪スペースを新たに確保することで、周囲の違法駐輪している自転車の数を減らすことができるかもしれません。
自転車の盗難被害が拡大しているため
駐輪スペースの不足以外の理由としては、自転車の盗難被害が拡大しているためというものがあります。
これは、マンションなどで起こりやすいものとなりますが、駐輪場で自転車の盗難被害が多発していると、駐輪場に駐輪すると盗難のリスクが高まるため、駐輪することを避けるようになるのです。
その結果として、本来は駐輪が認められていない場所、例えば自分の部屋の前(マンションの共用部分)などに駐輪してしまいます。
その他では、非常階段の踊り場などにも置いてしまうことがあるのです。
駐輪場はあるが使い勝手が悪いため
その他にも理由があります。
利用できる駐輪場はあるものの、使い勝手が悪いために違法駐輪してしまうというケースです。
使い勝手が悪いというのは、もう少し具体的に説明すると、駅や利用する施設から少し離れてしまっている、利用できるが料金が高い、などのケースとなります。
このように、使い勝手が悪い駐輪場しかないという場合には、駐輪が認められていない場所であっても、そちらの方が使い勝手がよいと考えて違法駐輪をしてしまうのです。
違法駐輪している自転車を発見した場合の適切な対応について
違法駐輪対策として、新しい違法駐輪対策について解説しました。
ただし、こちらの対策については、合法であるかどうかは、さまざまな意見があるため、適切であるかどうかは、判断が非常に難しくなっています。
では、違法駐輪している自転車を見つけた場合には、どのように対応すればよいのでしょうか?
次のような対応が適切であると言えます。
警告文の貼り付け
無断駐輪している自転車に対して、無断駐輪であること、無断駐輪をした場合にどのように対応するか、などを警告文として自転車に貼り付けるという方法があります。
警告文を貼り付けることで、違法駐輪を行っている人に対して、プレッシャーを与えることができ、次回から無断駐輪をしなくなる可能性もあるでしょう。
警察に相談する
それから、検討しておきたいのが、「警察に相談する」というものです。
ですが、ここで注意しておきたいのが、違法駐輪している場所がどこであるか、という点。
公道であれば、警察が対応してくれるかもしれませんが、私有地の場合には、民事不介入の原則があるため、相談したとしても対応してもらえない可能性があります。
ですが、私有地であっても対応してもらえる場合があるのです。
それは、違法駐輪している自転車が盗まれたものである場合。
この場合には、連絡をすれば、警察が対応してくれる可能性が高いでしょう。
警察が対応してくれるかどうかは、状況などによって異なりますので、とりあえず対応してもらえるかどうか相談してみるのが適切と考えられます。
管理会社や所有者に連絡する
こちらは、主に私有地の場合の話になりますが、警察以外では管理会社やその土地や施設の管理者に連絡するというものです。
例えば、マンションの敷地内に違法駐輪しているなどのケースになります。
私有地の場合には、警察が対応する可能性が低いですが、管理会社やオーナーに連絡することで対応してくれる場合があるのです。
違法駐輪している自転車の持ち主と直接やりとりをすると、トラブルになってしまう場合がありますが、管理会社やオーナーを通して話を進めることで、トラブルになるリスクを小さくできるのも良い点と言えます。
弁護士などの法律の専門家に相談する
管理会社やオーナーに連絡をするという方法を紹介しました。
連絡をすることで、管理会社やオーナーが適切な対応を行ってくれる場合もあるのですが、適切な対応をしてくれないケースもあります。
また、持ち主に対して注意をしてはいるが、聞き入れてもらうことができないという場合もあるようです。
このようなケースでは、法律の専門家である、弁護士に相談するのがよいでしょう。
弁護士に相談するメリットとしては、法に基づいて適切な対応を行ってくれること、交渉ごとに慣れているので、交渉を上手にまとめてもらえる可能性があること、などが挙げられます。
違法駐輪を行う人に直接注意をした場合、改善される場合もありますが、大きなトラブルに発展してしまうケースや一向に改善されない可能性もあるでしょう。
弁護士であれば、法律に基づいて対応してくれるので、自分で直接交渉するよりもスムーズに問題を解決できる可能性があります。
それから、違法駐輪をした人に対して、罰金を請求することはできませんが、損害賠償請求を行える可能性はあるでしょう。
違法駐輪をしている人に対して、損害賠償請求を行いたいという場合にも、弁護士は大きな味方となってくれるはずです。
無断で移動させる・撤去させると罪に問われる可能性がある
違法駐輪している自転車を見つけた場合の適切な対応について解説しました。
もう1つ必ず理解しておかなければいけないのが、違法駐輪している自転車を見つけた場合に、絶対にやってはいけない行為についてです。
その絶対にやってはいけない行為とは、次のようなものになります。
無断で移動させる・撤去する
例えば、自分の敷地内に勝手に自転車を駐輪されていると、怒りがこみあげてくるという人が多いでしょう。
怒りがこみあげてくると、どうしてもその違法駐輪している自転車を無断で移動させる、あるいは無断で撤去してしまうという行動を行いたくなってしまうものです。
ですが、怒りのまま冷静さを失って無断で移動させる、あるいは無断で撤去してしまう、などを行うと、反対に罪に問われてしまう可能性があります。
この場合の罪とは、どのような罪なのか、が気になるところですが、具体的には「窃盗罪」や「器物損壊罪」などです。
違法駐輪している自転車は、管理者などからすれば、非常に邪魔なものですが、感情のままに無断で移動させる、撤去してしまうと、犯罪者になってしまう可能性があるということを理解しなければなりません。
無断駐輪している自転車を見つけた場合には、適切な対応を行いましょう。
自転車をロックする行為
それから、無断駐輪している自転車を見つけた場合、「これだけ迷惑をかけているのだから、持ち主を困らせてやろう!」と考えて、勝手に自転車をロックしてしまったという人もいるようです。
これは、最初の新しい対策のところでも挙げましたが、現時点では合法であるとは言えないものとなっています。
ですから、自転車の持ち主を困らせてやろうなどと考えて、無断で自転車をロックしてしまった場合には、罪に問われる可能性があるのです。
迷惑な自転車をロックしてしまいたいという気持ちはわかりますが、実際にロックしてしまうと罪に問われる可能性があるため、絶対に勝手にロックするようなことはしないようにしましょう。
自転車に傷をつける行為
さきほどは、自転車を無断でロックすることは、罪に問われる可能性があると解説しました。
その他で注意しておきたいのが、自転車に傷をつけるという行為です。
自転車に傷をつけるのはもちろんですが、タイヤをパンクさせる、サドルを取り外してしまう、などの行為も同様にやってはいけない行為となります。
無断駐輪をさせないための対策
無断駐輪は、1度されてしまうと、その後も何度も行われる可能性が高く、対応が難しくなってしまうのです。
そのため、無断駐輪をさせないような対策を行うことが必要となります。
では、具体的にどのような対策があるのか、について詳しく見ていきましょう。
定期的に見回りを行う
無断駐輪をさせないための対策として挙げられるのが、定期的に見回りを行うというものです。無断駐輪が行われるのは、誰も見ていないから、誰もチェックする人がいないから、という理由もあります。
誰も見ていないと、無断駐輪を簡単に行えてしまうでしょう。
しかし、定期的に見回りを行うことで、無断駐輪している自転車を早期発見することができますし、場合によっては犯人を特定できる場合もあると考えられます。
ただし、定期的に見回りを行うとなると、負担が大きくなりますし、外部に委託するとしてもコストがかかることになるため、その点にも注意が必要です。
自社で行う場合には、見回りを行うために人員を割かなければならないため、負担が大きくなってしまう可能性もあります。
防犯カメラの設置
その他の対策として挙げられるのが、防犯カメラの設置。
駐輪場や私有地に防犯カメラを設置することによって、大きな抑止力として期待することができます。
また、防犯カメラを設置することで、誰が違法駐輪を行っているのか、を映像として記録することが可能です。
あとで、違法駐輪を行っていた人に接触した際に、映像を証拠として持っておけば、言い逃れすることができなくなります。
人が巡回するのとは異なり、負担を軽減することができますし、24時間対応できるのも大きな魅力と言えるでしょう。
防犯カメラは、高い効果を期待することができるものの、カメラ本体や工事費用などどうしても多くのコストがかかってしまいます。
防犯カメラを設置する際には、コストや設置台数、カメラにどのような機能が搭載されているか、などをしっかりと確認したうえで導入することをおすすめします。
看板の設置
防犯カメラよりも少ないコストで導入できるのが、看板の設置です。
また、防犯カメラの設置となると、どうしても電源を確保しなければならないなど、環境などに左右されてしまう場合がありますが、看板にはさまざまなタイプのものがあるため、比較的自由に設置ができるというのも大きな魅力となっています。
それから、看板のタイプや大きさなどによっても異なりますが、工事不要で自分で設置ができるものもあるので、簡単に設置ができるというのもメリットです。
違法駐輪対策におすすめの商品
迷惑な違法駐輪を防ぐためには、定期的な巡回・防犯カメラの設置・看板の設置、などの対策があります。
その中でも、コスト面や手間がかからないという点を考慮すると、違法駐輪対策には看板の設置がおすすめと言えるでしょう。
ただし、看板と言ってもさまざまな形状・サイズ・カラーなどのものがあります。
そのため、どのような看板を選べばよいのか、迷ってしまうことも多いでしょう。
そんな人におすすめしたいのが、次の商品です。
●ミセル メッセージポール

こちらは定番商品の1つで、さまざまな場所で、さまざまなシーンで活躍してくれる商品となっています。
また、こちらの商品はオリジナルデザインが可能となっている、おしゃれなメッセージポールです。
さらに、灰皿付き・消毒容器台付き・パネル型などバリエーションが豊富であるため、目的や設置場所にあわせて幅広く対応が可能となっております。
拡張機能にも優れており、設置や移動も楽々と行えるのでとても便利です。
この商品をご活用いただければ、無断駐輪されたくないエリアを簡単に構築することができます。
エリアを広げたい、狭くしたい、変更したいなどの要望にも簡単に対応が可能です。
これから違法駐輪対策を行おうと考えているのなら、ぜひこちらの商品をご活用ください。
価格もリーズナブルですし、1個から作れるのも大きな魅力です。
転倒防止用のおもりもセットすることができるので、転倒防止にもなるでしょう。
▼製品詳細はコチラ
ミセルメッセージポール
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まとめ
駐輪場以外の場所等に違法駐輪している自転車を無断でロックできるのか、についてですが、現状の法律では無断でロックしてしまうと罪に問われる可能性があります。
そのため、無断で移動・撤去・ロックなどを行うのはやめましょう。
対策には、いくつかありますが、ミセルメッセージポールを活用した、看板の設置がおすすめです。
コストも抑えられますし、タイプにもよりますが、設置が簡単に行えるのも魅力となっています。

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