工場向けの注意喚起のポスターを作成する際のポイントとは?
事故防止・業務改善工場には、さまざまな危険が潜んでいます。
そのため、リスクをできるだけ小さくするために、注意喚起のポスターなどが作成されているのです。
今回のコラムでは、「工場向けの注意喚起のポスターを作成する際のポイント」について解説します。
工場で発生しやすい労働災害について
工場では、労働者向けに労働災害を防止するための、注意喚起のポスターが作成されています。
では、どうしてそのようなポスターを作成しているのか?
結論から言えば、工場には多くの危険が潜んでいるからです。
皆さんは、工場と聞くと「製造業」をイメージする人が多いと思います。
厚生労働省が公表している、「令和3年労働災害発生状況の分布等」という資料によりますと、製造業における労働災害発生状況は以下のようになっているそうです。
● 平成29年 死亡災害160人 死傷災害26,674人
● 平成30年 死亡災害183人 死傷災害27,842人
● 令和1年 死亡災害141人 死傷災害26,873人
● 令和2年 死亡災害136人 死傷災害25,675人
● 令和3年 死亡災害137人 死傷災害28,605人
データを見るとわかりますが、毎年100人以上がなくなっており、毎年2万人以上が死傷していることがわかります。
さらに、同資料によると事故の型別として多いのは、次のようなものです。
● はさまれ・巻き込まれ (機械等)
● 転倒
● 墜落・転落
● 動作の反動・無理な動作
● 切れ・こすれ
ここまで、解説してきたように工場(製造業など)には、多くの危険が潜んでいることがわかるでしょう。
毎年のように多くの死傷者が出ているのです。
このような状況を少しでも改善するためにも、工場向けの注意喚起のポスターの作成は非常に重要なものとなります。
作成する際はデザインを工夫するのがポイント
工場では、非常に多くの労働災害が発生していることがわかりました。
そのため、労働者向けの注意喚起ポスターの作成が必要です。
しかし、ただ作成すればよいというものではありません。
ポイントを押さえながら、できるだけ高い効果を期待できるデザインにする必要があります。
デザインを工夫するためのポイントは、次のようなものです。
● どのような点に注意すればよいかを入れる(注意事項など)
● イラストや画像を入れて労働者にイメージしやすいようにする
● 何をすればよいか、どのように対応すればよいかを入れておく
注意喚起のポスターと聞くと、文字や色などで目立つようにして注意を呼びかければよいと考えている人も多いでしょうが、それだけでは労働者に上手く伝わりません。
まず、必ずデザインに組み込んでおきたいのが、「どのような点に注意すればよいかを入れること」です。
皆さんも「注意してください」と言われただけでは、何に注意をすればよいのかがわからず混乱してしまうでしょう。
機械であれば、「はさまれや巻き込まれに注意すること」。
床や階段などでは「転倒に注意すること」などのように、どこで、どのような場面で何に注意するべきかを入れるのが重要です。
注意する対象が明確になることで、労働者は注意するべきポイントを意識するようになります。
それから、イラストや画像などを取り入れるのも非常に重要です。
言葉だけで、注意喚起をされても具体的にイメージがわかないこともあります。
しかし、イラストや画像を入れることで、労働者にイメージをしてもらうことが可能となるのです。
労働者に伝わりやすくなるという点から、イラストや画像を上手に活用しましょう。
そして、さらに押さえておきたいのが「何をすればよいか、どのように対応すればよいかを入れておくこと」です。
注意するべきポイントだけでなく、何をすれば、どのように対応すれば安全に作業を行うことができるのかを入れておくのも重要となります。
安全に作業をするためのポイントを書いておくことで、労働者はそのポイントを押さえながら作業を進めるという意識を持つようになるのです。
注意喚起のポスターを作成する際は、ここで紹介したようなポイントを押さえて作成するとよいでしょう。
作成したポスターについてですが、多くの労働者が目にする場所に掲示することが大切です。
工場内はもちろんですが、工場の出入口付近、事務所付近、トイレ、更衣室、機械の近くなどに設置すると効果的と言えます。
さらに、労働災害が起こりやすい場所や危険な場所などにも掲示するようにすると効果的です。
工場で労働災害が発生すると、最悪の場合には労働者の大切な命が失われてしまう可能性もあります。
労働災害を防止するためにも、効果的な注意喚起のポスターを作成しましょう。
まとめ
工場では、さまざまな労働災害が発生しています。
毎年、多くの死傷災害が発生しているため、注意喚起のポスターを作成・掲示することが必要です。
作成する際は、文字だけでなく労働者がイメージしやすいように、イラストや画像などを入れるようにするとよいでしょう。
ポスターを作成して、労働災害を未然に防止し、大切な従業員を守ることが大切です。